糸リフトのダウンタイムは何日?本数で変わります|口が開けにくい期間まで書きます

糸リフトを受けると決めたものの、顔に糸を入れて何日休めばいいのかが分からない。人と会う予定があるので、そこだけ確かめたい。

「◯日で治ります」という一律の答えは、糸リフトに関しては成り立ちません。
理由は単純で、入れる糸の本数によって、出る症状も期間も変わるからです。本数に比例してダウンタイムが長くなる傾向があるとされています。2本と10本を同じ日数で説明することには、無理があります。

そしてもう一つ。日数の話だけでは足りません。糸リフトで生活上いちばん困るのは、腫れではなく「口が開けにくくなること」です。食事、会話、接客に直接影響します。

なお、期間はすべて目安であり、個人差があります。

結論|日数は本数で変わります

一般的な目安

まず一般的な数字をお伝えします。

  • ピークは施術直後〜72時間(術後1〜3日)
  • 3〜7日で、大半の方が気にならない状態になるとされています
  • 内出血やむくみは2〜3週間、長くて1か月程度で落ち着くとされています

本数に比例するという関係

そのうえで、ダウンタイムの出方は、糸の種類・本数・皮膚の薄さ・もともとのたるみの強さで変わるとされています。
このうち、受ける側が選べるのは本数です。そして、入れる本数に比例してダウンタイムも長くなる傾向があるとされています。
1本入れるごとに皮下を糸が通り、組織に引っかかり(コグ)が噛み込むためです。本数が増えれば、その分だけ組織への操作が増えます。

だから一律の日数では答えられません

「糸リフトのダウンタイムは3日です」という説明は、何本入れた場合の話なのかが抜けています。
当院の糸リフトは1本あたりの料金で、本数を選んでいただけます。ですので、「予定が近いので本数を抑える」という調整が可能です。

糸リフトで何が起きているのか

糸を入れて引き上げる

糸リフトは、吸収される素材の糸を皮下に通し、組織を物理的に引き上げて固定する方法です。

微小な切開があります

糸を入れるために、髪の生え際などに微小な切開を加えます。1か所のこともあれば、複数のこともあります。
切開があるということは、傷があるということです。腫れや痛みが伴うのは、ここに由来します。

組織に引っかけて固定する

糸にはコグ(とげ)やコーンと呼ばれる引っかかりが付いています。これを皮下組織に噛ませることで、引き上げた状態を保ちます。
つまり、組織が糸に引っ張られた状態になっています。

だから腫れと引きつれが出ます

  • 切開と挿入 → 腫れ、内出血、痛み
  • 組織が引っ張られている → 引きつれ感、突っ張る痛み

この2つが、糸リフトのダウンタイムの正体です。

何が起きるか|症状ごとに

腫れ

軽度で、1〜3日程度とされています。長くても1週間でほぼ落ち着きます。
顔全体が腫れるというより、挿入した側のこめかみや頬のあたりがふくらんで見えるという感じ方が多いようです。

内出血

挿入の経路に沿って出ることがあります。2〜3週間で薄れていくとされています。
出るかどうかは個人差が大きく、まったく出ない方もいます。

痛み

切開部の痛みと、引っ張られていることによる痛みがあります。施術後1〜3日がピークとされています。

引きつれ感

糸が馴染むまでの間、強い引きつれ感が出るとされています。
「頬が上に引っ張られている」「何かが張っている」と感じられる方が多いです。これは症状というより、糸が働いている状態そのものです。

突っ張るような痛み

糸を入れた部分(頬やフェイスライン)に触れると突っ張るような痛みを感じることがあります。

表情の違和感

笑ったとき、話したときに、引きつるような感覚が出ることがあります。

症状と時期の一覧

症状 ピーク 落ち着く目安 見た目に出るか
腫れ 1〜3日 1週間程度 出ることがある
内出血 数日 2〜3週間 出ることがある
痛み 1〜3日 1週間程度 出ない
引きつれ感 数日 2週間〜1か月 出ない
突っ張る痛み 数日 2週間程度 出ない

※本数・糸の種類・体質によって異なります。

日ごとの経過

当日

施術直後から引き上がった感じが出ます。同時に、腫れと痛みが始まります。
入浴はシャワー程度にとどめ、飲酒・激しい運動は避けてください。

1〜3日目(ピーク)

最も症状が強い時期です。腫れ、痛み、引きつれ感が重なります。
人前に出る予定は、この期間を避けてください。

4〜7日目

見た目の症状は落ち着いてくる時期です。引きつれ感は残ります。

2週間ごろ

内出血が薄れ、引きつれ感も和らいでいく時期とされています。

1か月ごろ

糸が馴染み、引きつれ感がほぼ落ち着くとされる時期です。

口が開けにくくなることについて

ここが、実際にいちばん困る点です。

なぜ起きるのか

糸は、頬からフェイスラインにかけて斜め上方向に入っています。口を大きく開けると、その方向と逆に組織が引っ張られることになります。
結果として、口を開ける動作に抵抗を感じる、開けにくいという状態になります。

いつまで続くのか

糸が馴染むまでの数日から2週間程度で和らぐことが一般的ですが、挿入する本数が多い場合は長引くことがあります。

食事はどうするか

大きく口を開ける必要のあるものは、しばらく避けたほうが楽です。

  • ハンバーガー、厚みのあるサンドイッチ
  • 硬いもの、噛みごたえのあるもの
  • 大きく口を開ける必要のある料理

やわらかいもの、小さく切ったものを選ぶと、数日間は楽に過ごせます。

会話・接客の仕事の場合

大きく口を開けて話す、笑うという動作が制限されます。接客、営業、教職、歌唱など、口を大きく使う仕事の方は、この点を織り込んで日程を決めてください。
「腫れは3日で引くから大丈夫」と考えて予定を入れると、開けにくさのほうで困ることがあります。

無理に大きく開けないでください

引きつれがあるからといって、無理にストレッチのように口を開けることは避けてください。入れた糸に不要な力がかかります。

本数をどう決めるか

本数で変わるもの

項目 本数が少ない 本数が多い
引き上げの幅 小さい 大きい
ダウンタイム 短い傾向 長い傾向
費用 抑えられる 増える
持続 短めの傾向 長めの傾向(ただし後述のとおり長期の効果は期待できません)

少なすぎる場合

引き上げの効果が実感しにくいことがあります。「せっかく受けたのに変わらなかった」という結果になりかねません。

多すぎる場合

ダウンタイムが長くなり、費用も増えます。また、引きつれ感が強く出ることがあります。

当院の料金は1本あたりです

当院の糸リフトの料金は次のとおりです(自由診療・税込、いずれも1本あたり)。

種類 1本あたり
クイックリフト 19,000円
ピオーネリフト 29,000円
テスリフト 39,000円
ネックリフト(バイニードルスレッド) 44,000円

※料金は変更される場合があります。最新の内容は料金表をご確認ください。

総額の考え方

総額は「1本あたりの価格 × 本数」です。
たとえばピオーネリフトを片側4本ずつ、計8本入れる場合、29,000円×8=232,000円という計算になります。1本の価格だけを見て判断すると、実際の総額と大きく食い違います。

必要な本数は、たるみの程度と希望する引き上げの幅によって変わります。診察で判断しますので、本数を決めてお越しいただく必要はありません。
ただし、「予定が近いので本数を抑えたい」「ダウンタイムを短くしたい」というご希望は、遠慮なくお伝えください。それを踏まえた提案ができます。

糸の種類によっても変わります

本数の次に効いてくるのが、糸の種類です。
糸は、素材・太さ・引っかかりの形(コグかコーンか)・長さが異なります。組織にどれだけ強く噛むかが違えば、引き上げの幅も、ダウンタイムも変わります。
一般に、引き上げる力が強い糸ほど、ダウンタイムも出やすい傾向があります。本数と同様に、組織への作用が大きい糸ほどダウンタイムも出やすくなります。

当院で扱う糸は4種類あり、価格の違いはそのまま性質の違いでもあります。

  • クイックリフト……もっとも手軽な位置づけ
  • ピオーネリフト……標準的な選択肢
  • テスリフト……引き上げの力が強い
  • ネックリフト(バイニードルスレッド)……首まわりに用いる

どれが適しているかは、たるみの程度、皮膚の厚み、引き上げたい方向によって変わります。
「ダウンタイムを短くしたい」というご希望があれば、種類の選択でも調整の余地があります。

施術当日の流れ

診察・デザイン

たるみの状態を確認し、どの糸を、何本、どの方向に入れるかを決めます。皮膚に印をつけます。
引き上げる方向を決めるのは、この工程です。上に引き上げるのか、斜め後ろに引くのかで、仕上がりが変わります。

麻酔

挿入部と経路に局所麻酔を行います。麻酔そのものの痛みはありますが、その後の操作の痛みは抑えられます。

挿入

細い針(カニューレ)で糸を通し、引き上げて固定します。本数によりますが、30分から1時間程度が目安です。

施術後の確認

左右差がないか、引き上がり方に問題がないかを確認します。その日の過ごし方をお伝えします。

所要時間

診察から会計まで含めて、1時間半程度をみていただくとよいと思います。

過ごし方

当日

  • 入浴はシャワー程度に。湯船・サウナは避ける
  • 激しい運動、飲酒を避ける
  • うつ伏せで寝ない(顔に圧がかかります)
  • 施術部位を強くこすらない

1週間

  • 顔のマッサージをしない
  • 大きく口を開ける動作を避ける
  • 歯科治療は延期を検討する(長時間口を開けるため)
  • うつ伏せ・横向きで顔を圧迫しない

1か月

  • 強いマッサージ、フェイシャルエステを避ける
  • 顔に強い力がかかる施術(一部の美容機器を含む)は、時期を相談する

ダウンタイムを短くするためにできること

体質による差はあるものの、術後の過ごし方次第でダウンタイムの長期化を防ぐことができます。

冷やす(当日)

腫れが強い場合、当日は軽く冷やすことで和らぐことがあります。ただし、強く押し当てないでください。保冷剤を直接当てるのも避けてください。

頭を高くして寝る

当日から数日は、枕を高くして寝ると、むくみが出にくいとされています。
うつ伏せ・横向きで顔を圧迫する姿勢は、入れた糸に力がかかるため避けてください。

塩分と飲酒

塩分の多い食事や飲酒は、むくみを強める方向に働きます。数日は控えめにしてください。

温めない

長時間の入浴、サウナ、岩盤浴は、腫れや内出血を強めることがあります。当日は避け、その後も数日は控えめにしてください。

顔を動かしすぎない

大きく口を開ける、強く笑う、表情を大きく作るといった動作は、引きつれが強い時期は控えるほうが楽です。
ただし、まったく動かさない必要はありません。普通に生活してください。

やらなくてよいこと

マッサージやローラー、美顔器、フェイシャルエステなどは、糸が馴染むまでの間、避けてください。早く馴染ませようと揉んだり動かしたりすると、入れた糸に不要な力がかかってしまいます。

こんなときは相談してください

以下の症状が見られる場合は、正常な経過とは異なる可能性があります。自己判断せず、速やかにご連絡ください。

  • 1か月以上経っても改善しない
  • 痛みが強い、または日を追って悪化している
  • 顔の左右で明らかな差がある
  • 皮膚の表面に糸が触れる、見える
  • 発熱がある、傷口から膿が出る、赤みが広がる
  • 皮膚にくぼみやひきつれが定着している

とくに1か月以上改善しない場合や痛みが強い場合は、異常のサインとされています。施術を受けた医療機関にご連絡ください。

2回目以降について

ダウンタイムの出方の変化

前回と同じ本数・同じ糸でも、そのときの体調や皮膚の状態によって出方は変わります。「前回は3日で治ったから今回も」とは限りません。

前に入れた糸がある場合

吸収される糸ですが、完全に分解されるまでには時間がかかります。前回からの期間によっては、残っている糸の位置を考慮して入れる必要があります。
いつ、どの糸を、何本入れたかを、診察の際にお伝えください。分からない場合は、診察時にお気軽にお知らせください。

受ける間隔

短すぎる間隔で繰り返すと、組織への負担が重なります。適切な間隔は、糸の種類とたるみの程度によって変わりますので、診察の際にお伝えします。

予定から逆算する

予定までの期間 考え方
3日以内 ピークに重なるため避けるべき時期
1週間 見た目は落ち着くが、引きつれが残る可能性
2週間 多くの方が問題なく過ごせる時期
1か月 糸が馴染み、最も安心できる時期

初回は、どのくらい出るかが読めません。大切な予定の直前に初めて受けることは、おすすめしていません。
本数を抑えれば、その分ダウンタイムも短くなる傾向があります。予定が近い場合は、本数の調整も選択肢になります。

効果と持続について

ダウンタイムを調べていらっしゃる方にこそ、先に知っておいていただきたい点があります。
関連5学会がまとめた「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」は、スレッドリフト(糸リフト)について次のように整理しています。

  • 有効性は限定的ではあるが存在する
  • 効果の持続を長期に観察した報告では、6か月後には効果が減弱し、12か月後にはほとんど効果が失われるとされている
  • 高い満足度を示した研究は、いずれも糸の製造会社から資金提供を受けた研究であったとされている
  • 位置づけは、効果が大きくないことと持続が短期間であることを十分に説明したうえで行うことを「弱く推奨」とされている

つまり、ダウンタイムを引き受けて得られるものが年単位で続くわけではない、という前提でご検討ください。当院がこれを隠して説明することはありません。

国内未承認の医療機器を用いる施術について

糸リフトに用いる糸は、日本国内で薬機法上の承認を受けた製品が存在せず、未承認品のみが使用可能とされています(美容医療診療指針・令和3年度改訂版)。当院で用いる糸も同様です。医療広告に関する国の指針にもとづき、次のとおりお知らせします。

1. 未承認の医療機器であること

当院で用いる糸(クイックリフト、ピオーネリフト、テスリフト、ネックリフト)は、いずれも日本国内では薬機法上の承認を受けていません。

2. 入手経路

国内で承認されていないため、医師の責任のもとで輸入したものを使用しています。具体的な入手経路は、施術前にご説明します。

3. 国内の承認医療機器の有無

糸リフトに用いる糸には、同一の性能を有する国内承認医療機器はありません。

4. 諸外国における安全性等に係る情報

診療指針では、合併症の多くは皮膚の部分的なくぼみ、左右差、皮下出血、糸の触知、痛みなどの軽微で一時的なものとされる一方、まれに肉芽腫の形成や感染による糸の除去、顔面神経麻痺などの重篤な合併症の報告があるとされています。
また、吸収性の糸に比べ、非吸収性の糸で合併症の報告が多いとされています。

未承認の医療機器を用いる施術は、公的医療保険の対象外です。
また、万一健康被害が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度などの公的な救済制度の対象とならないことがあります。

これらをご理解いただいたうえで、施術を受けるかどうかをご判断ください。ご不明な点は、施術前に必ずお尋ねください。

費用とリスクについて

糸リフトは自由診療であり、健康保険は適用されません。費用は全額自己負担となります。料金は1本あたりで、総額は本数によって変わります。

リスク・副作用として、腫れ、内出血、痛み、引きつれ感、突っ張り感、左右差、表情の違和感が生じることがあります。まれに、糸の露出、感染、しこり、皮膚のくぼみ、神経の一時的な症状が報告されています。
効果の程度・持続期間には個人差があり、変化を実感しにくい場合もあります。

次のような場合は施術を受けられないことがあります。診察の際にお伝えください。

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 施術部位に感染や炎症がある方
  • 血液が固まりにくい病気のある方、抗凝固薬を服用中の方
  • 重い持病がある方、服薬中の方

よくある質問

Q1. 何日休みを取ればよいですか。
本数によります。少ない本数であれば、3日程度で日常生活に戻れることが多いです。人前に出る予定がある場合は、1週間以上の余裕をみていただくと安心です。
Q2. 本数を減らせばダウンタイムは短くなりますか。
短くなる傾向があるとされています。ただし、引き上げの幅も小さくなります。ご希望をお伝えいただければ、そのうえでご提案します。
Q3. 口が開けにくいのはいつまでですか。
数日から2週間程度で和らいでいくことが多いとされています。本数が多い場合は長引くことがあります。
Q4. 仕事はいつから戻れますか。
デスクワークであれば数日、口を大きく使う仕事であれば1週間以上をみていただくことをおすすめします。
Q5. 糸は取り出す必要がありますか。
吸収される素材の糸を用いるため、時間の経過とともに分解されます。取り出す必要はありません。
Q6. マスクで隠せますか。
内出血や腫れの位置によっては隠せることがあります。ただし、マスクのゴムが糸を入れた部位に当たることがありますので、締めつけの弱いものを選んでください。
Q7. 引きつれ感が強いのですが、失敗ですか。
糸が馴染むまでの間は引きつれ感が生じることがあります。ただし、1か月以上続く場合や強い痛みがある場合は異常のサインと考えられます。ご連絡ください。
Q8. 歯科治療の予定があるのですが。
歯科治療では長時間口を開けたままになります。糸を入れた直後は避けたほうがよいため、可能であれば施術の前に済ませるか、1か月ほど空けてから受けることをおすすめします。すでに予約が入っている場合は、診察の際にお伝えください。

まとめ

  • 糸リフトのダウンタイムは本数によって変わる。一律の日数では答えられない
  • ピークは1〜3日、多くは3〜7日で気にならない状態になるとされる
  • 内出血・むくみは2〜3週間、長くて1か月程度
  • 生活上いちばん困るのは口が開けにくいこと。食事・会話・接客に影響する
  • 本数を抑えればダウンタイムも短くなる傾向。予定が近い場合は調整できる
  • 1か月以上改善しない、痛みが強い場合は異常のサイン。自己判断で様子を見ない

本数と日程は、ご予定を伺ったうえで提案する。

参考文献