【皮膚科専門医が解説】リポットレーザーでのシミ取り完全ガイド

こんにちは。新宿にあるピオーネビューティークリニック 皮膚科専門医の鈴木です。

秋から冬にかけて、シミ取りをご検討される方が増えてきますね。 前回のコラムでは、シミの種類に応じた治療法をご紹介しました。
今回はその続編として、気になるシミを狙って治療する「リポットレーザー」についてお話しします。

「シミ取りをしてみたいけれど、私のシミはレーザーで取れるの?」
「ダウンタイムって実際どのくらい?」

「色素沈着が心配…」

そんな疑問にお答えしながら、治療対象のシミや治療後の経過、知っておいていただきたいリスクを解説
します。

1. まずは「レーザーで治療するシミか」を見極めます

前回もご紹介したように、シミ治療の第一歩は、シミの種類を診断することです。一言で
「シミ」といっても、原因も深さも違うものが混ざっていることが多いです。
代表的なシミを
再度確認していきましょう。
シミには次のようなものがございます。

・日光性色素斑(いわゆる日光じみ):紫外線のダメージによりできる輪郭が比較のはっきりした茶色いしみ

・そばかす:体質が関係し、幼少期から目立つことが多い、比較的小さな斑点が散らばるタイプ

・肝斑:頬、口周りに左右対称にもやっと広がるくすみで、刺激で悪化することがあるしみ

・炎症後色素沈着:ニキビ・かぶれ・摩擦などの炎症のあとに残るしみ

・扁平母斑(あざの一種):生まれつき、または幼少期からの境界が明瞭な茶あざ

・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):思春期以降から目立つことが多く、頬に左右対称に散在するしみ
のことが多く、瞼や鼻、口周りに及ぶこともあります。
しみの色みや分布により日光性色素斑や肝斑と似て見えることがあります

リポットレーザーで治療を検討する代表的なものは、日光性色素斑、そばかす、扁平母斑です。

2. リポットレーザーとはどんな機械?

リポットレーザーは、シミ治療で長年使われてきた532nmの波長を用いるQスイッチNd:YAGレーザーに、
冷却機能と画像認識を組み合わせた機器で、肌への負担をできるだけ抑えつつ、狙ったシミにしっかり
エネルギーを届けることを目指したレーザーです。
画像認識機能により照射時あてムラやあて漏れを減らすことができます。

3. 薄いシミも取れる?

リポットレーザーで治療するシミの目安は境界がはっきりしたシミです。
レーザーのスポット治療はメラニン色素に反応します。そのため次のような傾向があります。

・濃くて輪郭がはっきりしている:反応が出やすい
・薄くて境界がぼんやりしている:反応が出にくく、無理に当てるとリスクが増えることもあります

薄いシミや全体のくすみは、光治療やMIINレーザー、アドバテックスレーザーなど別の選択肢が適しているケースもあります。診察にて肌状態やシミをしっかり見極め治療をご提案いたします。

4. リポットレーザーでの治療をうけられない方、ご相談が必要な方

リポットレーザーはシミを狙ってしっかり反応を出す治療なので、肌の回復力が落ちている方は注意が必要です。

・免疫抑制剤を内服中などで、傷を治す力が落ちている方
・肌荒れや皮膚炎が出ている方

・最近日焼けをして肌が炎症状態にある方

・妊娠中や授乳中の方(状況によりご相談となります)

安全第一のため、診察で今は見送り、または別治療が安全と判断することがあります。

5. リポットレーザーの主なリスク、知っておいてほしいこと

① 炎症後色素沈着
レーザー後に一時的に茶色くなる反応です。
多くは時間とともに薄くなりますが、体質や肌状態、日焼け、摩擦で長引くことがあります。

② 赤み(炎症後紅斑)
かさぶたが取れたあと、赤みがしばらく残ることがあります。
通常は時間の経過で落ち着きます。

③ 色が白く抜ける・色むらが残る
シミが取れたことで周囲のくすみとの差が目立ち、一時的に白く見えることがあります。
数か月かけてなじむことが多いです。

④ 肝斑の悪化
リポットレーザーでは起こる方は少数ですが、ゼロではありません。
肝斑がある方はどんな施術でも刺激で反応してしまうタイプの方がいらっしゃいます。事前に見分けるのが難しい時もあり、もし悪化した際はご自宅でのケア方法や治療をご提案いたしますのでご相談ください。

⑤ 水疱形成
レーザー照射はそもそも火傷を起こし、シミを痂皮にして剥がし落とす治療です。
そのため水疱形成のリスクがあります。水疱ができたからといって必ずしも色素沈着が濃く起きるわけではありません。適切なケアを行いながら慎重に経過を確認しますので、クリニックへご連絡ください。

6. 炎症後色素沈着のリスクが高い方の特徴

一般的に、次のような方は炎症後色素沈着が出やすい傾向があります。

・肌が元々色黒、または日焼けで黒くなりやすい方
・肝斑がある、こする癖やマスク擦れなど摩擦が多い方
・直近で日焼けしている方
・過去に強い日焼け歴があり、肌ダメージが蓄積している可能性がある方

・施術後に紫外線を浴びやすい生活スタイルの方

ただし「リスクが高い=必ず起こる」ではありません。同じ治療でも、当日の肌コンディションや施術後の摩擦、紫外線対策で結果が変わります。

7. リスクを減らすためにおすすめな準備・アフターケア

ここは難しいことはありません。大切なのはシンプルです。
全年齢の方に共通して大切なのは以下の3点です。

・日焼け止めと帽子や日傘などの遮光を徹底

・触らない、こすらない、かさぶたを無理に剥がさない

・保湿を切らさない(乾燥は肌の刺激になります)

また、特に40代以降の方は照射前の肌育治療も効果的です。
年齢とともに、紫外線ダメージの蓄積や肌の回復力の個人差が出やすくなります。
必要に応じて医師が肌状態を見て、先に肌のコンディションを整える肌育治療をご提案することがあります。

8. シミ取りの時期は、季節と「その後の予定」で考えましょう

秋冬は、紫外線対策や治療後のケアを計画しやすい季節です。ただし、紫外線対策が不要になるわけでは
ありません。
私がおすすめしたいのは、施術日だけでなく、その後の生活まで含めて予定を立てることです。

特にリポットレーザー後は照射部位に再生テープを2週間から3週間貼り続ける必要があります。
屋外で過ごす時間が長い旅行やイベントの直前は避けるなど、無理なくケアを続けられる時期を
選びましょう。

前回はシミの種類に応じた治療法を、今回はリポットレーザーの特徴と治療後の過ごし方をご紹介しました。
シミ治療では、機械選びだけでなく、診断とアフターケアまで含めた治療計画が大切です。今の肌状態を
確認し、ご希望や生活に合わせて、どの治療が合うかを一緒に考えていきましょう。