皆様こんにちは。新宿にあるピオーネビューティークリニック 皮膚科専門医 鈴木です。
紫外線のピークだった夏も終わり、だんだんと紫外線が弱まってきましたね。秋から冬は紫外線対策や
治療後のケアを計画しやすく、シミ取りをご検討される方が増える季節です。
「シミをしっかり取りたい」
「でも、ダウンタイムはあまり取れない」
そんなご相談をよくいただきます。 私がシミ治療で大切にしているのは、まずシミの種類を診断し、
どこまで改善したいか、治療後のケアにどのくらい時間をかけられるかを、一緒に考えることです。
今日はピオーネ式しみとり治療のお話しをしていきます。

「しみ」と一言でいっても、原因も深さも違うものが混ざっていることが多いです。
代表的には次のようなものがあります。
・日光性色素斑(いわゆる日光じみ):紫外線ダメージによりできる、輪郭が比較のはっきりした茶色いしみ
・そばかす:体質が関係し、幼少期から目立つことが多い、比較的小さな斑点が散らばるタイプ。
・肝斑:頬、口周りに左右対称にもやっと広がるくすみで、刺激で悪化することがあるしみ。
・炎症後色素沈着:ニキビ・かぶれ・摩擦などの炎症のあとに残るしみ。
・扁平母斑(あざの一種):生まれつき、または幼少期からの境界が明瞭な茶あざ
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):思春期以降から目立つことが多く、頬に左右対称に散在する
しみのことが多く、瞼や鼻、口周りに及ぶこともあります。しみの色みや分布により日光性色素斑や肝斑と
似て見えることがあります。
メラニンが存在する深さ、炎症の有無によって、しみの成り立ちによって適した治療が異なります。
日光性色素斑(いわゆる日光じみ):しっかり改善したい方には、リポットレーザー
日光じみには、メラニンの蓄積だけでなく、紫外線の影響を受けた角化細胞(ケラチノサイト)の変化も
関わっています。最近では、老化したケラチノサイトがメラニンを蓄積しやすくなることも報告されて
います。
当院では、少ない回数でしっかり改善を目指す場合にリポットレーザーを第一選択としてご提案しています。
一方、ダウンタイムが取りにくい方や、顔全体に細かな薄いシミが広がっている方には、光治療やMIIN
レーザーをご提案することもあります。
そばかす:色の濃さと、ダウンタイムの希望で選択
色が濃いのであればリポットレーザーによる治療をお勧めしています。
一方、色が薄いそばかすやテープ保護が難しい方にはルメッカやステラM22XPLなどの光治療をご提案し、
複数回の治療で徐々に薄くしていきます。 そばかすは紫外線の影響を受けやすく、治療後に再び目立って
くることがあります。そのため、治療中だけでなく、治療後も紫外線対策を続けることが大切です。
肝斑:色だけでなく、肌の土台にも目を向けて
肝斑は表面の色だけの問題ではありません。 真皮にある老化した線維芽細胞存在や、紫外線による弾性線維の変性、細胞外マトリックスの変化、表皮真皮境界部の変化が肝斑に関与していると考えられています。
私が肝斑治療で重視しているのは、色を薄くすることにだけでなく、肌の土台のケアも同時に行なっていく
ことです。まずは紫外線対策と摩擦を避けるケアを基本に、外用薬や、必要に応じた内服治療を検討します。
そのうえで、当院では肌の状態に応じて、ネオファウンドなどの肌育治療、高周波のザーフ、超音波の
ソフウェーブ、MIINレーザーやステラM22XPLなどを組み合わせて治療をご提案いたします。
肝斑は刺激によって悪化することもあるため、その時々の肌状態を確認しながら、治療の順番や組み合わせを慎重に判断します。
炎症後色素沈着:経過と、炎症が残っていないかを確認
炎症後色素沈着は、時間とともに薄くなるため焦って治療しなくて大丈夫です。
まずは原因となる炎症や摩擦を抑え、紫外線対策や外用治療を行うことが基本です。
長年濃い色が残ってしまっている場合は、肌の状況を確認した上でリポットレーザーにて治療をおすすめ
することもあります。ある程度薄くはなっているものの、なかなか消えない場合は
MIINレーザーにて治療をお勧めすることもあります。
炎症を繰り返している状態でレーザー治療を行うと、かえって色素沈着が濃くなってしまう場合があります。
そのため、炎症が落ち着いているか、別の種類のシミが混在していないかを確認し、治療の適応を判断
しています。
扁平母斑(あざの一種):私がリポットレーザーに手応えを感じている治療の一つ
扁平母斑は、私がリポットレーザーを積極的にご提案している疾患の一つです。 扁平母斑は一般的な
レーザー治療では十分に薄くならなかったり、再び色が濃くなってしまったり治療に難渋する茶あざです。
一方、治療を重ねることで少しずつ薄くなっていく症例を多く経験しています。
保険診療で治療を受けたものの、十分な効果を感じられなかった方も、一度ご相談ください。
これまでの治療歴と病変の状態を踏まえて、適応を検討します。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):Qスイッチレーザーやピコレーザーの照射が必要
ADMは、皮膚の深い層にある色素細胞を対象とした治療が必要です。
表面のシミと同じ治療では十分な改善が得られないためリポットレーザーは治療が困難です。

レーザーのスポット照射は、気になるシミを狙い、少ない回数でしっかり改善することを目指す治療です。 リポットレーザーの場合、当院では通常2〜3週間を目安に保護テープを貼っていただきます。
その後も、色素沈着や赤みが落ち着くまで時間がかかることがあります。
一方、光治療は、通常は照射当日からお化粧が可能で、テープ保護を必要としない治療です。
反応したシミが一時的に濃くなったり、薄いかさぶたのようになったりすることがありますが、
通常は1週間前後で自然に取れていきます。
ただし、十分な改善を得るためには、複数回の治療が必要になることが多いです。
どちらの治療でも、再び色が目立つことや、新しいしみができることがありますので、紫外線対策を続け、
必要に応じて追加治療やメンテナンスをご案内いたします。
「できるだけダウンタイムを抑えたい」というお気持ちも、「せっかくならしっかり取りたい」という
お気持ちもよくわかります。
ただ、ダウンタイムの長さと効果は、単純に比例するものではありません。
しみ治療に関してはレーザーを強く当てれば、それだけきれいに取れるというわけでもありません。
私が大切にしているのは、期待できる変化と、治療後に必要なケアの両方を知っていただき、ご自身に
合った方法を選んでいただくことです。
上記のようにシミの種類によって治療が異なるため、適切に診断することが何より大切です。
実際には、一人のお顔に複数の種類のシミが混在していることも少なくありません。 すべてを一度に
治療しようとせず、お肌の状態に合わせて、どのシミから治療するべきか、治療の優先順位をご案内
しています。治療後の反応を確認しながら、一緒に治療計画を調整していきましょう。
まずは、ご自身のシミがどのタイプなのかを知るところから。
皮膚科専門医の鈴木に、ぜひご相談くださいませ。
次回は、私が日光じみや扁平母斑の治療で積極的にご提案している「リポットレーザー」について、
ダウンタイムやリスク、治療前後の過ごし方まで詳しくお話しします。