肌の土台から若返る?話題の「ヒト無細胞真皮マトリックス」を徹底解説

こんにちは。ピオーネビューティークリニック 皮膚科専門医の鈴木です。
暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか

学会レポート:仙台での盛況ぶり

先日、仙台で開催された第44回美容皮膚科学会に参加してまいりました。
関東のクリニックからも多くの先生方が出席されており、私もヒト由来の真皮成分(ヒト無細胞真皮
マトリックス)を含むスキンブースターの臨床的な有効性について
発表を行いました。

このスキンブースターは今回の学会でも非常にトピックとして大きく、発表会場は立ち見の先生が
いらっしゃるほどの熱気に包まれていました。
発表後の質疑応答でも、施術後のダウンタイムや、他の肌再生製剤(ポリヌクレオチド製剤)との併用方法について多くの質問をいただき、美容医療の現場における関心の高さを肌で感じる機会となりました。

今回は、そのヒト無細胞真皮マトリックスについて、なぜ今これほど注目されているのか、
皮膚老化のメカニズムから実際の施術内容まで詳しくお話しさせていただきます。

皮膚老化のメカニズム

まず、皮膚が老化する仕組みを見ていきましょう。
加齢によって肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少すると、シワやたるみ が目立つように
なります。また、肌の潤いを保つ成分グルコサミノグルカンが減ることで、再生サイクルが滞り、乾燥が
進みます。

さらに、働きが衰えた線維芽細胞からシミの元となる細胞へ間違った信号が送られることで、
くすみや色むらも現れてきます。

つまり、肌の見た目の老化はコラーゲンなどの減少・保水力の低下・細胞の機能低下という複数の原因が
複雑に絡み合って
起こっているのです。
そのため、どれか一つの原因だけにアプローチしても、シワ、たるみ、毛穴、くすみといった
複合的なお悩みを一気に解決するのは難しく、これが従来の治療で「肌は明るくなったけれど、ハリは
あまり変わらない」といった声につながっていたと考えられます。

いつまでも綺麗なお肌を保つためには、コラーゲンやエラスチンをいかに増やすか、減ってしまった
潤い成分をいかに補うか、そして働きが衰えた細胞をどう減らすか
が鍵となります。

ヒト無細胞真皮マトリックスとは

そこで近年、お肌に直接美容成分を届けるスキンブースターと呼ばれる注射治療が人気を集めています。
中でも特に注目されているのが、Re2O(リトゥオ)、BUNAJU(ブナジュ)、SKIN PLUS(スキンプラス)といったヒト無細胞真皮マトリックス(hADM)製剤です。

PRPやエクソソームといった従来の治療は、自分の皮膚を刺激して間接的にコラーゲンなどを作らせる
アプローチでした。
一方、ヒト無細胞真皮マトリックスは、コラーゲンやエラスチンといった肌の構成成分そのものを直接補うことができる画期的な製剤です。

その成分比率は、コラーゲンが約89%、エラスチンが約3%、潤い成分が約0.4%と、若く健康な状態の真皮とほぼ同じバランスで作られており、まさに肌の素材そのものを補う治療と言えます。

なお、いくつかのブランドがありますが、いずれもベースとなる成分は共通しています。
当院では、お一人おひとりの肌状態やお悩みに合わせて最適な製剤を使い分けています。

安全性へのこだわり

「ヒト由来」と聞くと安全性が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
原料となる組織は、医療目的で同意を得た提供者からのもので、専門機関で厳格な検査をクリアしたもの
だけが使われています。
その後、国際的な安全基準のもとでアレルギーの原因となる不純物を徹底的に取り除く処理(滅菌・加工)が行われているため、安全面にしっかりと配慮された製剤です。

作用機序:肌の足場としてはたらく

この製剤をお肌に注入すると、真皮の中でコラーゲンを作り出すための足場として働きます。
そこに自分自身の細胞が引き寄せられて活性化することで、さらに新たなコラーゲンやヒアルロン酸が
生み出されます。

つまり、材料を直接補いながら、自分自身の再生力も底上げするという、二段構えのアプローチが
可能になるのです。
従来の治療では細胞の元気さに個人差があるため効果にばらつきが出やすかったのですが、
直接材料を補うこの治療は、ご自身の細胞の元気さに依存しすぎず、安定した効果が期待できるのが
強みです。

学会発表データ:モニター3名の治療経過

私が学会で発表した、当院のモニター様3名の経過をご紹介します。

治療の1週間後から肌のツヤ感アップがみられ、1ヶ月後には毛穴の開き、小ジワ、色素沈着、赤みの改善がはっきりと確認できました。
個人差はありますが、皆様それぞれ複数のお悩みが同時に改善に向かっており、複合的な肌トラブルに
とても強い治療だと実感しています。

施術プロトコルとポリヌクレオチドとの併用

ヒト無細胞真皮マトリックス単独でも素晴らしい効果がありますが、より高い効果を求める方には、
リジュランやプルリアルデンシファイといった肌再生を促すポリヌクレオチド製剤との併用をおすすめ
しています。足場ができて元気になった細胞に、さらに成分の刺激を加えることで、高い相乗効果が期待
できる
ためです。

治療のペースは1ヶ月おきに3回が基本です。ダウンタイムとしては1週間程度、内出血や針の刺激による
赤みが出ることがあります。

治療後の変化

3回の治療が終わる頃には、パッと見てわかるほどのツヤと弾力が生まれ、たるみ毛穴や赤みも落ち着いた、均一でなめらかな陶器肌へと変化していきます。

これまでの治療では、 「ツヤは出るけどハリは出ない」 「ハリは出るけどむくみやすい」 など、
効果のバランスをとるのが難しい側面がありました。
しかし、ヒト無細胞真皮マトリックスはそうした従来の常識を覆すような、別次元のバランスの良さを
持っています。

おわりに

これまで他の肌育注射でいまいち効果を感じられなかった方にも、自信を持っておすすめできる治療です。
お肌の土台からしっかりと立て直したいという方は、ぜひ一度カウンセリングでご相談ください。

効果の持続期間は半年から1年程度が目安で、その後は半年に1回程度のメンテナンスを行うことで、
美しい状態を長く保っていただけます。

暑さや紫外線で肌が疲れやすいこの季節こそ、表面的なケアだけでなく、土台からのケアを見直す絶好の
チャンスかもしれません。
皆様のご来院を心よりお待ちしております。